Greeting 会長挨拶

IT産業の発展に伴い、その対象範囲も大幅に拡大しています。 数年前は情報社会という言葉が一般的でしたが、今は、IT社会という言葉に、置き換えられています。

ITという言葉には、コンピュータのシステム開発という意味だけではなく、デザインや、マーケティング、ハードウェア設計など非常に幅広い意味が含まれています。 場合によっては、株式投資や企業買収などのマネーゲームの分野まで、IT産業の一部になってしまった印象があります。
その為に、今日、情報社会の基盤を担っているシステム設計、プログラム開発という情報システム開発技術が、世間の関心を失いつつあり、ないがしろにされている感があるというのが現状です。

最近、日本の経済発展を支えているのは、物づくりの技術であることを再認識すべきであるとの意見が、多くマスコミにも登場します。
情報社会そして、広い意味でのIT社会を支える基盤を作っているのは、情報システム開発技術であり、これは、まさに、システム即ち、仕組みを作り上げる技術です。 残念ながら、システムが人の目には見えないために、なかなか理解されませんが、機械の動きを制御する仕組みを作るというだけではなく、企業の経済活動や人々の社会活動を支える仕組みを作り上げるという意味でも、情報システム開発技術は間違いなく、物づくりの技術であります。

東京大田区の優秀な金型技術や旋盤技術を持つ企業群が、日本の経済発展の基礎であるように、地方の情報システム開発企業は、まさに、21世紀の地方の情報社会を作り上げ、そして、それを支える基盤産業であります。
情報システム開発力、すなわちシステム設計、プログラム開発、テスティングという技術は、今日の情報社会を作り上げた、基盤の技術であります。

情報システム技術には、緻密な注意力と粘り強さそして、全体とのバランス調整力が要求されます。 システムを利用する人々の要求を的確に捉え、情報システムと、その利用者との希望を上手に擦りあわせる技術というものが、大切になってくるということは言うまでもありません。
利用者を思いやり、緻密な設計を行う、安全を重視し、品質にこだわる。 ここが、我々日本人が、もっとも得意とするところであり、民族性としても、文化的にも比較優位を見つけることが出来るところです。

中国や他のアジア諸国が、ITの分野において日本を猛追しています。
このような状況の中、北海道のIT産業、特にその中核技術を担っている情報システム開発企業は、その発展の方向性を、どのような技術分野に見いだすべきなのか?どのような作業形態あるいは受注形態が、北海道に適しているのかなどを衆知を集めて、研究すべき時が来ています。 北海道情報システム産業協会は、会員の方々とこのような身近な問題をテーマとして、技術交流、情報交流を行い、自社の発展を通して、北海道の経済発展に貢献しようと考えています。

一般社団法人北海道情報システム産業協会

会長中村 真規

pagetop